束縛なし

ピーターに相談したのよ。
「アランと同棲しようと思うの。」
そしたら彼あっさり「僕も彼女ができた」ですって！

今日何故か彼女に会わされるの。
どんな関係よ一体。離婚もまだなのに新しい彼女紹介するですって。
舐めてるわね、ちきしょーー。あ、こんな言葉私も使うときがあるのね。
嬉しいわ。

彼曰く、彼女は私より背が高いんですって。
きっと足なんてゾウ並みにでかいわね。
そして胸が小さくてまんこがでかいとかだらだら語ってたわよこの男は。
「アラン待ってるから行くわね」

帰りのタクシーでこの前のヘリコプターを思い出す。
なんとアランがヘリをチャーターしたのよ。
頼んでないです。
「ふたりで夜景を見よう」

ふたりってパイロットもいるじゃない。
なにがふたりなのよ。
あんたが操縦したらふたりだけどね。
まあ、私ったらネチっこいわね。
ジワジワと苛めるのが好きよ。

「乗りたくないわ。落ちたら死ぬじゃない。」
するとアランが、
「もうばばあだから今死んでも大丈夫だろう？さあ行こう。」

はい、たしかにばばあですよあたくしは。
そうよもう40代なんだし70以上になって誰かに苛められるよりかは
ここでさっと死んでもいいわね。
「わかったわ坊や。行きましょう。」

乗って後悔したの。
当たり前だわ。
想像以上に揺れてるじゃないの！
私の垂れ乳もおおいに揺れてたわ。
と思ったら、今日ブラジャー忘れてたのね。

「今日はやたらと胸垂れてるね。」
アランは平気でそんなこという人なの。
でも私はそういう人が大好きよ。
じゃあ今日は垂れ乳全快で行くわよーーー。

その時アランが揺れながら光り物を手渡した。
指輪！？
なんだ鍵か。

鍵？
「何の宝箱よ」

「僕の家さ」

別にいらないわよ。だってインターフォンがあるじゃない。
しかも無断で人の家に入るって失礼よ。

「いいから今度からこれを使ってくれ」

相変わらず強引ね。
頭がよくてお金持ちだと何でも手に入ると思ってるのかしら。
ちゃんと小学校卒業したの？って聞きたくなるわあ。

しかし夜景どころじゃなかったわよ。
言ったじゃない、私は朝方よって。
夜景を見たところでポストカード見てるのと同じ気分なんだから。
しかもチャーターってどうやってするのかしら。
イエローページにあるのかしら。
弁護士って何でもできるのねえ。

やっと地上についたとき一気に嘔吐した。
はーーースッキリだわ。
アランがキスしてきた。
あなた、臭くなるわよ。